石油価格の長期見通し
11月の米国中間選挙を前に、石油価格が激しく変動しています。
トランプ米政権が、支持率低迷の要因とされているインフレ率の引き下げを狙って、石油価格を引き下げる政策をなりふり構わず打ち出しているのがその背景です。
昨年末には1バレル57ドル程度だったニューヨーク原油先物価格は、今年4月に一時112ドルを超え、直近10月には90ドル台前後で推移しています。
今年に入ってからの原油高の最大の要因は2月に始まった米国とイスラエルによるイラン攻撃(がもたらしたホルムズ海峡封鎖)なので、インフレはトランプの自業自得と言うしかないのですが、中間選挙まではイランを追加攻撃しないと言ってみたり、ロシア産軽油に対する制裁を一時的に緩和したり、挙句の果てには(両当事国が認めていないにもかかわらず)ロシアとウクライナが互いのエネルギーインフラへの攻撃停止で合意したと言ってみたりと、価格を引き下げるためなら何でもありの状態です。
一方で、イラン戦争が波及する形で米ロと並ぶ産油国であるサウジアラビアの石油施設がフーシ派からの攻撃にさらされていることから、そうしたパフォーマンスによる価格低下は一時的で、しばらくするとまた上昇し、結局のところ高止まりしている状況です。
では、日本を含む世界のインフレ率への影響も大きい石油価格は、中間選挙後にどのように推移するのでしょうか。
トランプのパフォーマンスや中東情勢よりも根本的と言っても過言ではない、より長期的な価格メカニズムから考察してみたいと思います。