共産主義者からMMT派に転向した?斎藤幸平氏

斎藤幸平氏の新著『人新世の「黙示録」』は事実上、マルクス主義からケインズ主義、そしてMMT派に転向したような内容です。それはある意味、現実を説明する理論としてのマルクス経済学の限界を示しているのではないでしょうか。
島倉原 2026.05.05
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一昨日の5月2日、ユーチューブのながら視聴をしていると、アップされたばかりのリハック動画「【高橋弘樹vs斎藤幸平】気候崩壊…生存のための計画経済…暗黒社会主義とは?」が目に映りました。

先月、「「左派の経済理論」であるMMTが重要な理由」というニュースレターを執筆し、主流派・マルクス派のいずれに対しても「アンチ」の経済思想である「国家の役割を重視する系統(ドイツ歴史学派、制度学派、ポスト・ケインジアン)」こそが見直されるべき「左派の経済理論」であり、MMT(現代貨幣理論)はその正統な後継理論であることを論じました。

そんなわけで、マルクス主義のリバイバルを唱える『人新世の資本論』で一躍有名になった斎藤氏が今何を語っているかに興味をひかれ、つい再生ボタンを押してしまった次第です。

斎藤氏の新著『人新世の「黙示録」』をテーマとして、「斎藤さんが、コミュニスト〔共産主義者〕から転向なさって辞めたということで、おめでとうございま~す」という高橋氏のセリフで始まるこの動画、ある意味、なかなかケッサクでした。

相変わらずマルクス主義に軸足を置きつつも、政策論としては現代に合わせて修正した「暗黒社会主義」を提唱する、というのが同書の趣旨のようですが、「これはもはや、マルクス主義とは言えないのでは?」と思わせるようなキーワードが登場したのです。

その仮説を検証すべく、書店で同書を手に取ってみたところ、案の定でした。

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続きは、2162文字あります。
  • ケインズ主義満載の『人新世の「黙示録」』
  • MMTをパクりながら(?)批判する斎藤氏

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