「赤字国債は将来世代へのツケ回し」はなぜ誤りなのか
消費税減税が来たる参議院議員選挙の争点に浮上する中で、政府・自民党は「消費税は社会保障を支える重要な財源」「赤字国債は将来世代へのツケ回し」と主張し、消費税減税を実施しない方針を固めています。しかし、日本政府にとって、税金は財源ではありませんし、赤字国債も将来世代へのツケ回しではありません。
島倉 原
2025.05.12
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夏に控えた参議院議員選挙の主要争点として、消費税の減税が浮上しています。
国民民主党、日本維新の会、れいわ新選組、日本共産党、参政党といった野党各党は、もともと消費税の減税あるいは廃止を政策として掲げていましたが、ここに来て、最大野党である立憲民主党も、食料品税率を1年間0%にする時限的な消費税減税案を打ち出しています。
対して、政府・自民党は、「消費税は社会保障を支える重要な財源だ」「減税で生じた財源不足の穴を赤字国債で埋めれば、将来世代に負担のツケを回すことになる」という議論に基づいて、消費税減税を実施しない方針を固めたと報じられています。
しかし、MMT(現代貨幣理論)が学術的にも明らかにしているように、「消費税は社会保障の財源」「赤字国債は将来世代へのツケ回し」のいずれも、現実に妥当しない誤った議論です。
今回はそのうち、「赤字国債は将来世代へのツケ回し」が誤りである理由を解説したいと思います。